2026年9月に「auひかりプラス」という新しいインターネットサービスが始まった。
名前だけを見ると、従来のauひかりに5G機能を追加した新プランのようにも見える。
自分も光回線について詳しく調べるまでは、auひかりもドコモ光やSoftBank 光、BIGLOBE光などと同じようにNTT系の光回線を使っているものだと思っていたが、実際は違う。
従来のauひかりは、NTT東日本・西日本のフレッツ光を卸して提供する「光コラボ」とは別の固定回線サービスだ。
一方、auひかりプラスでは、従来と同じauひかり系の光回線だけでなく、NTTの光コラボ回線やau 5Gまで、一つのサービスの中で使い分ける仕組みに変わっている。
ここを理解しておくと、auひかりプラスが従来のauひかりの単純な後継プランではないことが分かりやすい。
auひかりとauひかりプラスは別のサービス

最初に全体像を整理しておきたい。
| 比較 | 従来のauひかり | auひかりプラス |
|---|---|---|
| サービス | 従来からあるFTTHサービス | 2026年9月開始の別サービス |
| 固定回線 | auひかり | auひかり系またはNTT光コラボ系 |
| 光開通前 | 基本的に工事完了を待つ | au 5Gなどで先に利用 |
| 光開通後 | 光回線 | 光回線へ切り替え |
| 光障害時の5G | プラスと同じ標準機能はなし | 5Gへ切り替えてバックアップ可能 |
| 光工事なし | 基本的に光回線サービス | タイプ2ならワイヤレスのみ |
| 既存auひかりから | そのまま利用 | 自動移行ではなく新規契約 |
auひかりプラスは2026年9月17日に提供開始された。KDDIは「KDDIの光回線に加え、提携事業者の光回線との組み合わせにも対応」と説明しており、提供開始時点の提携回線にはNTT東日本・西日本の光コラボレーションモデルが使われている。
つまり「auひかりに5Gを追加しただけ」と理解すると少し違う。
従来のauひかりは、ドコモ光やSoftBank 光と同じ光コラボではない
ここは今回自分も改めて整理した部分だ。
ドコモ光、SoftBank 光、BIGLOBE光などは、NTT東日本・西日本のフレッツ光設備を利用する「光コラボレーションモデル」が基本になる。
同じNTT系の光コラボ同士なら、
・ドコモ光からSoftBank 光
・BIGLOBE光からドコモ光
のように、既存のNTT回線をそのまま使って「事業者変更」できることがある。
従来のauひかりはこのグループには入らない。
auひかりはKDDIが提供するFTTHサービスで、フレッツ光を卸してもらってブランドだけを変えた光コラボではない。そのため、光コラボからauひかりへ乗り換える場合は、通常の光コラボ同士の事業者変更とは扱いが異なる。
au公式も、他社インターネットからauひかりへの乗り換えを新規申し込みとして案内している。
「独自回線」という言葉も少し注意が必要だ。
auひかりの光ファイバーがすべてKDDI所有という意味ではない。
KDDIは過去に、auひかりホームでは自社の光ファイバーとNTT東西のダークファイバーを地域によって使い分けていると説明している。
大事なのは物理的なケーブルの所有者ではなく、フレッツ光の光コラボサービスとして提供されているわけではない、という点だ。
2025年からNTTの引込線を再利用できるようになったが、光コラボになったわけではない
さらにややこしいのが、従来のauひかりでも2025年から「光回線再利用」が始まっていることだ。
auひかり ホーム(S)では、他社の光コラボで使っていた光ケーブルの引込線から宅内の光コンセントまでを、そのままauひかりで再利用できる場合がある。
これだけ見ると、
「じゃあ従来のauひかりもNTTの光コラボになったのでは?」
と思いやすい。
そうではない。
再利用するのは主に自宅まで引き込まれている物理的な設備で、
契約するサービス自体はauひかりのままになる。
この違いはかなり重要だ。
光コラボ同士の事業者変更と、従来auひかりの「光回線再利用」は同じ仕組みではない。
auひかりプラスでは3種類の回線タイプを使う

auひかりプラスで大きく変わったのがここだ。
一つの「auひかりプラス」というサービスの中に、タイプ1・タイプ2・タイプ3が用意された。
| タイプ | 主に使うネットワーク | 光回線 |
|---|---|---|
| タイプ1 | au 5G+auひかり | あり |
| タイプ2 | au 5G・4G LTE・WiMAX 2+ | なし |
| タイプ3 | au 5G+提携光回線 | NTT光コラボ系 |
| 光開通前のタイプ1・3 | au 5Gなど | 工事待ち |
| 光開通後のタイプ1・3 | 固定の光回線 | 通常利用 |
KDDIはタイプ1をauひかり、タイプ3を光コラボとして区別している。
タイプ3では、提供開始時点でNTT東日本・西日本の光コラボレーションモデルを使った提携回線が使われている。
BIGLOBEも「BIGLOBE光プラス by auひかりプラス」について、
NTT東日本・NTT西日本・KDDIの回線から、住所や建物などの環境に合った回線を提供すると案内している。
つまり、
「auひかりプラスなら自分でKDDI回線かNTT回線を好きに選べる」という意味ではない。
利用できるタイプは地域、建物、設備状況、申し込み方法などによって変わる。
au公式でもホームはタイプ1・タイプ3、マンション向けページは現在タイプ3として案内されている。
5Gと光回線を同時に使って速くするサービスではない
「光回線+5G」と聞くと、2つの通信を同時に束ねて速度を上げる仕組みにも見える。
auひかりプラスの基本的な使い方はそうではない。
利用するネットワークは時期や状況によって切り替わる。
| 状況 | 基本的に使う回線 |
|---|---|
| ハイブリッドホームルーター到着後 | au 5Gなど |
| 光回線の工事完了後 | 光回線 |
| 光回線に障害が発生 | 5Gへ切り替え可能 |
| タイプ2 | モバイル回線のみ |
申し込み後はハイブリッドホームルーターが届けば5G通信を開始できる。
タイプ1とタイプ3はその後に光工事を行い、開通すると手続きなしで光回線へ切り替わる。
KDDIはタイプ1・3の申し込みから光利用開始まで、状況によって1〜2カ月程度かかる場合があると案内している。
光回線が開通したあとも5G機能は残る。
通信障害が起きた場合には5Gをバックアップ回線として使える。
ただし2026年10月時点では、障害時の切り替えはWeb設定の変更、LANケーブルの抜去、ルーター再起動などで行う。KDDIは2026年度内に自動障害検知機能を追加する予定としている。
通常時に「光10Gbps+5Gでさらに速くなる」というサービスではなく、開通前と障害時を5Gで補う仕組みと考えた方が分かりやすい。
従来のauひかりより提供エリアを広げやすくなった
タイプ3を用意した意味はかなり大きい。
従来のauひかりホーム1ギガは、現在も大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県、沖縄県などが提供対象外になっている。
一方、auひかりプラス ホーム1ギガは公式サイト上で「全国」と案内されている。もちろん実際に契約できるかは住所や建物設備によるので、全国すべての住宅で使えるという意味ではない。
この差を作っている一つの要因が、タイプ3だ。
KDDIのauひかり回線だけではなく、NTT東日本・西日本の光コラボ回線まで使えるようになったことで、従来auひかりホームを提供しにくかった地域にもサービスを広げやすくなった。
たとえば従来のauひかりホームが対象外だった地域でも、auひかりプラスのタイプ3なら利用できる可能性がある。
同じ「auひかり」という名前でも、ここはかなり大きな変化だ。
タイプ3なら光コラボから転用・事業者変更できるケースもある
回線の種類が変わったことで、乗り換え方法も変わっている。
タイプ3でフレッツ光から乗り換える場合は「転用」、
別の光コラボから乗り換える場合は「事業者変更」を利用できる。
auひかりプラスを完全新規で引く場合、現在の工事費はホーム39,600円、マンション26,400円。
対象契約では24カ月の初期費用相当額割引が用意されている。
一方、タイプ3で転用・事業者変更する場合は、サービス登録料4,950円に加えて工事費3,300円という案内になっている。
ここも従来auひかりとの違いが出る。
ドコモ光やSoftBank 光、BIGLOBE光などNTT系の回線を使っている人にとっては、タイプ3になれば既存設備を活かして移行しやすくなる可能性がある。
工事を待っている間は最大4カ月0円で5Gを使える

auひかりプラスの分かりやすい特徴が、光回線の工事前だ。
「ひかり準備割」が適用されると、5G通信を開始してから光回線が開通するまで、初月を含め最大4カ月、ネット利用料4,642円とハイブリッドホームルーターレンタル料858円が割り引かれる。
| 光開通前 | 月額 |
|---|---|
| ネット回線利用料 | 4,642円 |
| ハイブリッドホームルーター | 858円 |
| 合計 | 5,500円 |
| ひかり準備割 | -5,500円 |
| 割引後 | 0円 |
引っ越した直後に在宅勤務をする場合など、光工事までネットが使えない期間をどうするかは意外と面倒だ。
スマホのテザリングを使うか、ホームルーターを短期間だけ契約するかを考えなくても、auひかりプラスなら同じ契約のまま5Gから光へ移れる。

光開通後の料金は、従来auひかりより単純に安いわけではない
auひかりプラスは新しいサービスだが、従来のauひかりより必ず安くなるわけではない。
まず、光回線が開通したあとの基本料金を比べる。
| サービス | 住居・速度 | ネット料金 | 必須ルーター | 基本料金合計 |
|---|---|---|---|---|
| auひかりプラス | ホーム 1G | 5,720円 | 858円 | 6,578円 |
| auひかりプラス | マンション 1G | 4,642円 | 858円 | 5,500円 |
| auひかりプラス | 10G | 6,380円 | 858円 | 7,238円 |
| 従来auひかり | ホーム 1G ずっとギガ得 | 5,610円 | ― | 5,610円 |
| 従来auひかり | ホーム 1G+電話 | 5,610円 | 770円 | 6,380円 |
auひかりプラスでは、ハイブリッドホームルーターの月858円が基本的に加わる。そのため、ホーム1Gの通常料金だけを見ると、従来auひかりより安いサービスではない。
一方、新規契約では「2年毎月割」が使える場合がある。
| auひかりプラス | 通常料金合計 | 2年毎月割 | 最初の24カ月 |
|---|---|---|---|
| ホーム 1G | 6,578円 | ▲1,188円 | 5,390円 |
| マンション 1G | 5,500円 | ▲627円 | 4,873円 |
| 10G | 7,238円 | ▲1,848円 | 5,390円 |
このため、最初の2年間だけなら通常料金よりかなり下がる。
ただし、25カ月目以降は割引がなくなるため、「最初の2年間」と「長期利用時」は分けて考えた方がいい。
auひかりプラスの強みは単純な月額の安さではなく、光開通前に5Gを使えること、障害時にモバイル回線をバックアップとして使えること、タイプ3なら光コラボ網も利用できることにある。
今使っているauひかりが勝手にプラスへ変わるわけではない
名前がかなり似ているので、ここも誤解しやすい。
現在auひかりを使っている人が、そのままauひかりプラスへアップグレードされるわけではない。
au公式では、現在auひかりや他のインターネットサービスを利用している場合、
既存サービスを解約してauひかりプラスを新規契約する必要があると案内している。
そのため、すでにauひかりが安定して使えているなら、
「新しいサービスだから乗り換えた方がいい」とは限らない。
光開通前に5Gを使えることは、新しく回線を契約する人には大きなメリットだが、すでに光回線が開通している人には関係がない。
既存ユーザーの場合は、5GバックアップやWi-Fi 7、料金、現在の契約解除料や工事費残債まで含めて、乗り換える価値があるかを見る必要がある。
auひかりプラスが向いているのはこんな場合
従来auひかりと比べて、auひかりプラスの特徴が生きやすい条件を整理するとこうなる。
| 状況 | 選びやすいサービス |
|---|---|
| 引っ越し後すぐネットが必要 | auひかりプラス |
| 光工事を数週間待てない | auひかりプラス |
| 従来auひかりホームの対象外地域 | auひかりプラスを確認 |
| NTT系光コラボから乗り換える | タイプ3なら有力 |
| 光障害時にもネットを残したい | auひかりプラス |
| 光工事そのものをしたくない | タイプ2を検討 |
| すでにauひかりが問題なく使えている | 従来契約を維持する選択もあり |
| 固定回線だけをシンプルに使いたい | 従来auひかりと料金比較 |
auスマートバリューやUQ mobileの自宅セット割は、従来auひかりとauひかりプラスのどちらも対象になるため、「auスマホだからプラス」という決め方にはならない。
auひかりプラスでは対象のau・UQ mobile回線が最大月1,100円割引になる。
回線そのものの仕組みや、5Gバックアップに価値を感じるかで選ぶ方が分かりやすい。
まとめ|auひかりプラスは「auひかり+5G」だけではない
従来のauひかりは、ドコモ光やSoftBank 光などのNTT光コラボとは別のFTTHサービスだ。
2025年から光コラボで使っていた宅内までの引込線を再利用できる仕組みも始まったが、
auひかり自体が光コラボになったわけではない。
2026年に登場したauひかりプラスは、そこからサービスの考え方をかなり広げている。
タイプ1ではauひかり系の光回線、タイプ3ではNTT光コラボ系の提携回線を使い、タイプ2なら5Gなどのモバイル回線だけで利用する。
タイプ1・3では光工事が終わるまで5G通信を使い、開通後は光回線へ切り替わる。
つまり、auひかりプラスは「従来のauひかりを少し高速化したプラン」ではない。
固定回線の種類そのものを複数に広げ、そこへ5Gを組み合わせた別のインターネットサービスと考えるのが一番分かりやすい。
特に、従来auひかりが使えなかった地域、引っ越し直後からネットが必要な人、NTT系の光コラボから乗り換える人には、これまでのauひかりとは違う選択肢になっている。
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