自分は大学時代、本を読む習慣がほとんどなかった。
レポートを書くために必要な本を読むことはあっても、自分からビジネス書や自己啓発書を買って読むことはほぼなかった。
社会人になってから「少し本を読んでみよう」と思い、定番と呼ばれる本を中心に何冊か読むようになった。
その中から、今振り返っても読んでよかったと思うものを中心に8冊に絞った。
本を読むのが得意な人向けというより、むしろ自分と同じように「普段あまり本を読まない」という人に、
まず読んでほしい本が多い。
今回紹介する本はかなり有名なものが中心だ。
でも、定番だからこそ読んでおく意味もあると思っている。
社会人になると、友人や上司との会話の中で本のタイトルや、そこで紹介されている考え方が出てくることがある。
全部を暗記する必要はないし、書いてあることをすべて正しいと思う必要もない。
ただ、「こういう考え方がある」と知っておくだけでも、仕事やお金、人間関係について考えるきっかけになる。
社会人におすすめしたい本8冊を一覧で比較
今回紹介する8冊は、それぞれ役割がかなり違う。
| 本 | こんな人におすすめ |
|---|---|
| 入社1年目の教科書 | 社会人としての仕事の基本を知りたい |
| イシューからはじめよ | 頑張る前に何をやるべきか考えたい |
| ストレングス・ファインダー2.0 | 自分の強みを知りたい |
| 自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと | 物・習慣・人間関係・働き方を一度整理したい |
| 嫌われる勇気 | 人間関係や他人の目が気になる |
| 金持ち父さん 貧乏父さん | お金や働き方を考えたい |
| レバレッジ・リーディング | 本を読む意味を知りたい |
| 7つの習慣 | 行動や人生の考え方を見直したい |
| 職場で使える はじめてのChatGPT仕事術100 | AIを仕事で使ってみたい |
全部を一気に読む必要はない。
今自分が気になっているテーマから1冊選べばいいと思う。
『入社1年目の教科書』|社会人としての基本を知る
社会人になったばかりなら、最初に読みやすいのが『入社1年目の教科書』だと思う。
タイトルには「1年目」とあるが、新入社員だけにしか役立たない本ではない。
仕事への向き合い方や、人との接し方、任された仕事をどう進めるかなど、
社会人として働くうえで基本になる考え方がまとめられている。
社会人になると、学校のように「これが正解です」と仕事のやり方を一からすべて教えてもらえるわけではない。
そのため、仕事を始める段階で「社会人としてどう動けばいいのか」を一度まとめて読めるのは大きい。
自分も、もっと早い段階でこういう本を読んでおけばよかったと思う部分がある。
新社会人はもちろん、「なんとなく仕事をしてきたけど、一度基本に戻りたい」という人にも読みやすい一冊だ。
『イシューからはじめよ』|頑張る前に何をやるべきか考える
社会人になると、仕事量をこなすことに意識が向きやすい。
でも、そもそも取り組んでいる問題が重要でなければ、いくら頑張っても成果につながりにくい。
『イシューからはじめよ』は、そういう「何を解くべきなのか」から考える本だ。
がむしゃらに作業するのではなく、まず本当に答えを出す価値のある問題を見極める。
仕事をしていると、メール、資料作成、会議、集計など、やろうと思えば作業はいくらでも増える。
その中で「今、本当に考えるべきことは何か」を意識するきっかけになる。
単純な仕事術というより、考え方そのものを変える本に近い。
仕事に少し慣れてきて、「忙しいけど成果につながっている感じがしない」という人に特に合うと思う。
『ストレングス・ファインダー2.0』|自分の強みを知る
仕事をしていると、自分が得意なことと苦手なことが少しずつ見えてくる。
ただ、それを自分の感覚だけで説明するのは意外と難しい。
『ストレングス・ファインダー2.0』は、自分の強みを考えるきっかけになる本だ。
単純に「あなたはこれが得意です」で終わるというより、
自分がどういう考え方や行動を取りやすいのかを整理する材料になる。
社会人になると、全員が同じ能力を伸ばせばいいわけではないと感じる場面も増える。
人と話すのが得意な人もいれば、分析するのが得意な人もいる。
新しいことを始めるのが得意な人もいれば、決めたことを着実に進める方が得意な人もいる。
自分の弱点ばかりを見るのではなく、「自分はどこを使った方が仕事をしやすいのか」を考えたい人におすすめしたい。
『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』|何を増やすかではなく、何を手放すか考える
社会人になると、仕事や人間関係、持ち物、お金など、学生時代より抱えるものが一気に増える。
『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、何かを新しく身につけるというより、
今の自分に必要のないものを手放すという考え方の本だ。
物だけではなく、習慣や人間関係、働き方まで含めて考えるので、
「とにかく頑張って増やしていけばいい」と思っているときに読むと少し見方が変わる。
社会人になったばかりの頃は、仕事も人付き合いも全部ちゃんとやろうとしてしまいがちだと思う。
でも、時間もお金も限られている。
何をやるかだけでなく、何をやらないか、何を手放すかを決めることも大事だと考えるきっかけになる。
タイトルには20代とあるが、内容は20代だけにしか使えないものではない。
仕事や生活が少しごちゃついてきて、「一度整理したい」と思っている人におすすめしたい一冊だ。
『嫌われる勇気』|人間関係について考えたいなら一度読んでほしい
今回紹介する中でも、かなり有名な一冊だと思う。
『嫌われる勇気』は、アドラー心理学を哲学者と青年の対話形式で紹介している本だ。
ダイヤモンド社もアドラーの思想を対話篇で解き明かす内容として紹介している。
特に印象に残りやすいのが、他人からどう思われるかと、自分がどう生きるかを分けて考える部分だ。
社会人になると、学生時代より人間関係が広がる。
上司、同僚、取引先など、自分とは考え方が違う人とも付き合わなければならない。
全員から好かれることはできないし、相手がどう評価するかまで完全にコントロールすることもできない。
もちろん、この本の考え方をすべてそのまま受け入れる必要はない。
それでも、人間関係で悩んだときに「これは自分が考えることなのか、
それとも相手側の問題なのか」と一度分けて考えるきっかけになる。
かなり定番の本なので、本をあまり読まない人でも一度読んでおいて損はないと思う。
『金持ち父さん 貧乏父さん』|お金と働き方を考えるきっかけになる
社会人になって給料をもらうようになったら、一度読んでみてほしいのが『金持ち父さん 貧乏父さん』だ。
この本で特に有名なのが、「資産」と「負債」をどう考えるかという話だ。
筑摩書房も、資産と負債の違いや、お金について自分で考えることを本書の中心的な内容として紹介している。
現在販売されている改訂版は2013年刊行で、長く読み継がれている。
会社員になると、毎月給料が入ってくる。
その中で生活費を払い、欲しいものを買い、残った分を貯金するという生活になりやすい。
この本を読むと、「働いて給料をもらう」以外にも、お金や資産について考える視点があることに気づく。
書いてあることをすべてそのまま実践すればいいという本ではないと思うし、
投資判断をこの一冊だけで決めるものでもない。
ただ、社会人になったタイミングで「そもそもお金ってどういうものなんだろう」と考える入口としてはかなり面白かった。
投資や副業に興味がない人でも、一度読んでみていいと思う。
『レバレッジ・リーディング』|本を読む意味が分からなかった自分に刺さった
自分のように、もともと本を読む習慣がなかった人には特におすすめしたい。
『レバレッジ・リーディング』は、読書そのものを目的にするのではなく、
本から他人の経験や知識を学び、それを自分に活かしていくという考え方の本だ。
大学時代の自分にとって、本はレポートを書くために必要だから読むものに近かった。
社会人になってからも、最初は「わざわざ何時間も使って本を読む意味があるのか」と思うところがあった。
でも、本を書いている人が何年もかけて経験したことや考えたことを、
1冊から短時間で知れると考えると見方が変わる。
全部を覚える必要もない。
1冊読んで、一つでも今後使える考え方が残れば、それだけでも読む意味はあると思うようになった。
今回紹介している本も、この考え方で読むとかなり気楽になる。
本を読むのが苦手な人にこそ読んでほしい一冊だ。
『7つの習慣』|仕事だけではなく、自分の行動を考える本
『7つの習慣』も、社会人向けの本として何度も名前が出てくる定番だ。
内容は仕事術だけに限定されていない。
自分からどう行動するか、人とどう関わるか、自分の時間を何に使うかなど、
仕事にも私生活にも関係する考え方がまとめられている。
フランクリン・コヴィー・ジャパンでも、自分がコントロールできることに集中することや、
ものの見方を検証して行動を変えることなどが『7つの習慣』の原則として紹介されている。
少しボリュームがあるので、今回紹介する中では読むハードルは高めだと思う。
自分のように普段あまり本を読まない人なら、一気に読み切ろうとしなくてもいい。
気になるところから読みながら、「これは自分にも当てはまるな」と思うものを一つずつ拾っていくくらいでも十分だ。
仕事だけではなく、もう少し広い視点で自分の行動や考え方を見直したいときに向いている。
『職場で使える はじめてのChatGPT仕事術100』|AIを仕事で使ってみたい人向け
最後は、今の社会人ならAIの使い方も一度触れておいていいと思う。
『会社員のためのChatGPT実務テンプレ100』は、ChatGPTの技術的な仕組みを深く学ぶ本というより、
会社員が普段の仕事でどう使うかに寄せた一冊だ。
メール、文章作成、調査、アイデア整理など、「ChatGPTが使えるのは分かったけど、具体的に何を入力すればいいのか分からない」という人が使いやすい内容になっている。
生成AIは便利だが、アプリを開いただけでは仕事が勝手に終わるわけではない。
どう頼むかによって返ってくる内容もかなり変わる。
そのため、まずは使える形から真似して、「こういう仕事にも使えるのか」と感覚をつかむ方が始めやすい。
普段からChatGPTを使っている人より、これから仕事に取り入れてみたい人に向いている。
社会人になって本を読むなら、何から読めばいい?
8冊並べると、どれから読めばいいか迷うかもしれない。
自分なら、そのとき困っていることから選ぶ。
新社会人で仕事そのものに不安があるなら『入社1年目の教科書』。
仕事に慣れてきたけれど、効率よく成果を出したいなら『イシューからはじめよ』。
自分の強みが分からないなら『ストレングス・ファインダー2.0』。
人間関係が気になるなら『嫌われる勇気』。
お金や将来の働き方を考えたいなら『金持ち父さん 貧乏父さん』。
そもそも本を読む習慣がないなら『レバレッジ・リーディング』からでもいい。
そして、仕事でAIを使ってみたいなら『職場で使える はじめてのChatGPT仕事術100』という選び方になる。
最初から8冊全部読む必要はない。
定番の本だからこそ一度読んでおく意味もあると思う
今回、あえて有名な本を多く選んでいる。
本を普段から読む人なら、「どれも定番じゃないか」と思うかもしれない。
でも、自分はそこもメリットだと思っている。
社会人になると、友人や上司と話しているときに、有名な本のタイトルや考え方が普通に出てくることがある。
そのときに「ああ、あの本の話か」と分かるだけでも会話についていきやすい。
もちろん、本を読んだから偉いわけでも、読んでいないから社会人としてダメなわけでもない。
ただ、昔から多くの人に読まれている本には、それだけ何か考えるきっかけになる部分がある。
今回紹介した本は、まずそこから読んでみたい人にも選びやすいと思う。
本を読むのが苦手なら全部理解しようとしなくていい
これは自分も本を読み始めて感じたことだが、1冊すべてを覚えようとするとかなりしんどい。
読んだ翌月には、内容の細かいところなんて普通に忘れる。
それでもいいと思う。
一つでも印象に残った考え方があって、仕事や生活のどこかで思い出せれば十分だ。
『嫌われる勇気』を読んで人間関係について一つ考え方が変わった。
『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んでお金について調べ始めた。
『レバレッジ・リーディング』を読んで、ほかの本も読んでみようと思った。
そういう一つのきっかけだけでも、本を読む意味はある。
普段まったく本を読まないなら、まず気になった1冊を読んでみるくらいでいい。
まとめ|まずは今の自分に必要な1冊から読めばいい
自分は大学時代、レポートを書くとき以外はほとんど本を読まなかった。
社会人になってから本を買うようになり、いろいろ読んだ中で、今でもよかったと思うものを今回紹介した。
特に定番の本が多いが、初めてビジネス書や自己啓発書を読むなら、むしろ定番からでいいと思う。
今回の8冊は、
・仕事の基本なら『入社1年目の教科書』。
・考える力なら『イシューからはじめよ』。
・自分の強みなら『ストレングス・ファインダー2.0』。
・人間関係なら『嫌われる勇気』。
・お金なら『金持ち父さん 貧乏父さん』。
・読書そのものなら『レバレッジ・リーディング』。
・人生や行動なら『7つの習慣』。
・AIを仕事で使うなら『会社員のためのChatGPT実務テンプレ100』。
というように役割が分かれている。
全部買う必要はない。
今の自分が少し気になっているテーマから、まず1冊読んでみるのがおすすめだ。