光回線が1Gbpsなら、Wi-Fiルーターはどれを買ってもそこまで変わらないと思っていた。
ところが最近ルーターを調べてみると、同じ1Gbps回線でも使うルーターによってWi-Fiの速度や安定性は変わる。
もちろん1Gbps契約で高性能ルーターを買ったからといって、インターネット回線そのものが2Gbpsになるわけではない。
ただ、古いルーターや性能の低いルーターを使っていると、せっかくの光回線を十分に活かせないことはある。
今回は1Gbps回線ならどのくらいのWi-Fiルーターを選べばいいのか、10Gbps回線では何が変わるのか、光回線からレンタルできるルーターでもいいのかまで整理する。
結論|1Gbps回線でもルーターは何でも同じではない
インターネットの実際の速度は、契約している光回線だけでは決まらない。
Wi-Fiルーターの性能、Wi-Fi規格、スマホやPC側の性能、ルーターとの距離、壁や床、周囲の電波状況などでも変わる。
そのため、1Gbps回線を契約しているからといって、どんなルーターでも同じ速度になるわけではない。
今から1Gbps回線用として買うなら、個人的にはWi-Fi 6・AX3000前後を一つの基準にすると分かりやすい。
10Gbps回線なら少し条件が変わり、10Gbps対応のWANポートを持つルーターまで確認したい。
そもそも1GbpsとAX3000は別の数字

最初に分かりにくいのが、光回線にもルーターにも大きな数字が書かれていること。
光回線の1Gbpsは、回線側の最大通信速度を表している。
一方、Wi-Fiルーターに書かれているAX1800やAX3000は、Wi-Fi側の規格や理論上の通信速度をまとめたクラス名として使われている。
たとえばバッファローのWSR-3000AX4LはWi-Fi 6対応で、5GHz帯が最大2401Mbps、2.4GHz帯が最大573Mbps。INTERNETポートは最大1Gbpsとなっている。
これらは規格上の最大値であり、実際にその速度がそのまま出るわけではない。
つまり、
光回線の1Gbpsと、ルーターのAX3000は同じ数字を比べているわけではない。
ここを分けて考えるとかなり分かりやすくなる。
1Gbps回線ならWi-Fi 6・AX3000前後が選びやすい
1Gbpsの光回線で、スマホ、PC、テレビなどを普通に使うなら、
Wi-Fi 6のAX3000前後は価格と性能のバランスを取りやすい。
AX1500やAX1800クラスでも使えるが、価格差がそこまで大きくないならAX3000まで上げておくのもあり。
5GHz帯の速度に余裕を持たせやすく、対応端末なら160MHz幅を利用できるモデルもある。
ただ、AX3000ならAX1500の2倍速くなるという意味ではない。
実際の速度は端末側の対応状況や電波環境でも変わるので、AXの数字だけを見て高いモデルを選ぶ必要はない。
AX1800とAX3000は何が違う?
AX1800とAX3000は、どちらもWi-Fi 6対応ルーターでよく見るクラス名。
大きな違いは、主に5GHz帯の最大通信速度。AX1800クラスでは5GHz最大1201Mbps程度、AX3000クラスでは5GHz最大2401Mbps程度のモデルが多い。
ただし、AX3000だから実際の通信速度がAX1800の2倍になるわけではない。スマホやPC側が160MHz幅に対応しているか、ルーターとの距離、壁や電波状況などでも変わる。
1Gbps回線で、Web閲覧や動画視聴が中心ならAX1800でも十分なケースは多い。一方で、PCやスマホを複数台つなぐ、Wi-Fi 6対応端末を使う、数年間使うことまで考えるなら、自分なら価格差が小さければAX3000を選ぶ。
ざっくり選ぶなら
| AX1800 | AX3000 |
|---|---|
| 価格を抑えたい | 少し性能に余裕を持たせたい |
| 一般的なWeb・動画中心 | 複数端末や高速通信も使う |
| 1Gbps回線でも利用可能 | 1Gbps回線でより選びやすい |
| 安ければ十分あり | 価格差が小さければこちらを選びたい |
1Gbps回線ならこの3メーカーが候補
Wi-Fiルーターは同じようなスペックでも複数メーカーから販売されている。
今回は1Gbps回線で使いやすいWi-Fi 6・AX3000クラスを中心に、3メーカーから候補を挙げる。
BUFFALO WSR-3000AX4L
国内メーカーから選びたいなら、バッファローのWSR-3000AX4Lは分かりやすい。
Wi-Fi 6対応で、5GHz最大2401Mbps+2.4GHz最大573Mbps。INTERNETポートとLANポートはいずれも最大1Gbpsなので、1Gbps光回線向けとして使いやすい構成になっている。
EasyMeshにも対応しているため、将来Wi-Fiの届く範囲を広げたい場合にも使いやすい。
TP-Link Archer AX3000
価格とのバランスを重視するなら、TP-LinkのArcher AX3000も候補。
Wi-Fi 6・AX3000クラスで、ギガビットWANポート1つ、LANポート4つを搭載。v6プラス、OCNバーチャルコネクト、transix、クロスパスなど複数のIPv4 over IPv6方式にも対応している。
OCNバーチャルコネクト対応を重視するなら、TP-LinkにはArcher AX3000Vというモデルもあり、公式にOCNバーチャルコネクト対応が明記されている。
NEC Aterm WX3000HP2
NECのAtermシリーズから選ぶならWX3000HP2。
このモデルもWi-Fi 6・AX3000クラスで、OCNバーチャルコネクトだけでなく、v6プラス、transix、クロスパス、IPv6オプションなど複数のIPv4 over IPv6通信方式に対応している。
回線を変更する可能性がある場合でも、複数方式へ対応しているのは選びやすいポイント。
高いルーターを買えば必ず速くなるわけではない
ここは注意したい。
ルーターを上位モデルへ替えても、光回線そのものが混雑していたり、スマホやPCが古かったり、ルーターから離れすぎていたりすると、思ったほど速度が変わらないこともある。
特にWi-Fiは壁や床、家具などの影響を受ける。
すでに比較的新しいWi-Fi 6対応ルーターを使っているのに速度が遅い場合は、ルーターだけではなく回線、ONU、LANケーブル、接続端末なども確認した方がいい。
10Gbps回線ならルーター選びも変わる
最近は1Gbpsだけでなく、10Gbpsの光回線も増えている。
10Gbps回線を使うなら、ルーター側も10Gbps通信に対応しているか確認したい。特に重要なのが、光回線側と接続するWAN・INTERNETポート。
10Gbps回線なのにルーターのINTERNETポートが最大1Gbpsなら、そこがボトルネックになる。
10Gbps用として買うなら、
10GbE対応INTERNETポート
+ Wi-Fi 6EまたはWi-Fi 7
あたりから確認すると分かりやすい。
10Gbps回線ならWi-Fi 7も候補
10Gbps回線ではWi-Fi 7対応ルーターも現実的な候補になっている。
たとえばバッファローのWSR6500BE6P-10GはWi-Fi 7対応で、5GHz最大5764Mbps、2.4GHz最大688Mbps。INTERNETポートは最大10Gbpsに対応している。
ただし、このモデルはLAN側が最大1Gbps。
そのため、Wi-Fiで高速通信を使いたい場合には候補になるが、PCを有線接続して1Gbpsを超える速度まで活かしたいなら、LAN側にも2.5Gbpsや10Gbps対応ポートがあるモデルを選びたい。
バッファローではWXR18000BE10Pのように、10GbEのINTERNETポートだけでなく10/5/2.5GbE対応LANポートを搭載するモデルもある。
10Gbpsを有線でもしっかり使いたいなら、こちらのようなモデルまで検討する価値がある。
1Gbpsと10Gbpsでは見るポイントが少し違う

ざっくり整理するとこうなる。
| 契約回線 | ルーター選びの目安 |
|---|---|
| 1Gbps | Wi-Fi 6・AX3000前後・WAN 1Gbps |
| 10Gbps | Wi-Fi 6EまたはWi-Fi 7・WAN 10Gbps |
| 10Gbpsを有線でも活かしたい | WAN 10Gbps+LAN 2.5Gbps/10Gbps対応 |
10Gbpsの場合は、10G対応と書いてあるだけで判断せず、WANとLANのどちらが何Gbpsまで対応しているかを見るのが大事。
また、10GbEで有線通信するにはCat6A以上のLANケーブルが必要になる。
買う前に契約している光回線へ対応しているか確認する
ここはルーター選びでかなり重要。
スペックが高いルーターでも、契約している光回線の接続方式へ対応していなければ、そのまま使えない場合がある。
たとえばahamo光では、1ギガ・10ギガともにOCNバーチャルコネクト対応ルーターが必要。
ahamo公式でも、自分で対応ルーターを用意するか、有料レンタルを利用する必要があると案内されている。
10ギガで最大10Gbps通信を使う場合は、さらに10Gbps対応ルーターが必要になる。
そのため、Amazonなどでルーターを買う前に、契約している光回線の公式サイトで対応ルーターやIPv4 over IPv6方式を確認した方がいい。
分からなければ、契約している会社へ、
市販のWi-Fiルーターを買いたいのですが、対応が必要な接続方式を教えてくださいと聞けばいい。
OCNバーチャルコネクト、v6プラス、transix、クロスパスなど、使われている方式はサービスによって違う。
光回線からWi-Fiルーターをレンタルできる場合もある
光回線を契約すると、Wi-FiルーターやWi-Fi機能付きホームゲートウェイをレンタルできることもある。
そのため、必ず市販ルーターを買わなければいけないわけではない。
無料で使えるなら、まずレンタル機器を使ってみてもいい。
実際に速度や電波範囲に不満がなければ、そのまま使えば追加費用もかからない。
一方、有料レンタルなら一度スペックを確認したい。
有料レンタルなら月額だけでなく性能も確認する
ルーターのレンタル料金はサービスによって違う。
たとえばahamo光10ギガでは、10ギガ対応無線LANルーターを月額550円でレンタルできる。
auひかりではWi-Fiパックが月額660円で、1ギガ向けのBL1500HMはWi-Fi 6、5ギガ・10ギガ向けのBL4000HMはWi-Fi 7に対応している。
月額550円なら年間6,600円、3年間で19,800円。月額660円なら年間7,920円、3年間で23,760円になる。
そのため、有料レンタルの場合は料金だけを見るのではなく、どのくらいの性能の機器を借りられるのか確認したい。
レンタルルーターでは何を聞けばいい?

細かい型番まで分からなくても、最低限これくらい聞けば比較しやすい。
Wi-Fi 6かWi-Fi 7か
最大通信速度はどのくらいか
1Gbps・10Gbpsのどちらに対応しているか
WANとLANポートは何Gbpsまで対応しているか
契約している接続方式に対応しているか
特に有料レンタルで、もっと速いルーターを使いたい場合は、サポートにスペックを聞いてから市販品と比較するのがおすすめ。
無料ならまず使う。有料なら月額料金と性能を見て、市販ルーターを買う場合と比べる。
このくらいの考え方で十分だと思う。
ルーターを買い替える意味がありそうなのはこんな場合
今使っているルーターがかなり古いなら、一度仕様を確認してみたい。
Wi-Fi 5以前の古いモデル、WANポートが100Mbpsまでのモデル、使っているIPv4 over IPv6方式に対応していないモデルなどでは、光回線側に余裕があってもルーターがボトルネックになる可能性がある。
逆に、すでにWi-Fi 6・AX3000クラスを使っていて、ルーターの近くでも速度が出ないなら、買い替える前に回線側や端末側も確認した方がいい。
高いルーターに替えれば全部解決する、というものではない。
まとめ|回線速度だけでなくルーターの性能も見る
1Gbpsの光回線なら、Wi-Fiルーターは何でも同じだと思っていた。
でも実際には、Wi-Fi規格やルーターの性能、接続端末、電波環境によって実際の速度や安定性は変わる。
1Gbps回線なら、今から買うならWi-Fi 6・AX3000前後が一つの基準。バッファロー、TP-Link、NEC Atermなど複数メーカーから選べる。
10Gbps回線なら、WAN側の10GbE対応まで確認し、Wi-Fi 7も候補になる。有線でも1Gbpsを超える通信をしたいなら、LAN側の2.5Gbps・10Gbps対応も確認したい。
そして、スペック以前に忘れたくないのが契約している光回線で使えるか。
ahamo光ならOCNバーチャルコネクトのように、回線によって必要な接続方式が決まっていることがある。
レンタルルーターが無料なら、まず使ってみるのもあり。有料ならスペックと月額料金を確認し、市販ルーターを買った方がいいのか比較する。
ルーターは一度買えば数年使うものなので、最安モデルだけを見るより、今の回線を活かせる範囲で少し余裕を持たせて選ぶ方がいいと思う。


